「スロウスタッフの偏愛日誌」Vol.13

こんにちは。

SLOW南堀江店スタッフの片岡です。

 

今回は僕の偏愛アイテムである「スニーカー」の中でも

自分的に興味深いと感じるアイテムについて
お話します。

 

元々大学進学の為、岡山から大阪に出てきた当時は

入学から卒業まで服のセンスについて弄り続けられるほど

ファッションに造詣がない人間だった僕が
反骨精神からセレクトショップの店員になり
早15年が経ちました。

 

様々なシューズを履いてきましたが、

歳を重ねても尚履き続けている一足目が

 

 CONVERSE ADDICT(コンバースアディクト)

 

 

日本人が企画するコンバース
(パーツは日本生産で製品製作は2019年当時時点でインドネシア)で、

 

1960〜70年代のALL STARに見られる三ツ星ヒールラベルや
サイドステッチ等の美しいディテールを再現しつつ
現代のハイスペックなクオリティーで復刻されています。

 

ADDICT(=依存する、中毒)が意味するとおり、
ファッションコンシャスな人々を魅了するCONVERSE究極の
シューズラインです。

 

テーマは「進化するヴィンテージ」で、

主に履き心地において機能的な進化を加えています。

 

 

 

 

E.V.A製のカップインソールのクッション性と
Vibram製のアウトソールの耐久性・防滑性のタッグが最強。

 

 

正直注視しないと普通のコンバースなのですが、

このニッチなのが良いんですよね。

 

このシューズラインを出した理由としては、

 

「日用品や汎用品なイメージだけでなく、
ファッションとして注目されるハイエンドラインを作りたい」

 

次に

「見た目はヴィンテージでありながら、
機能面・履き心地の優れたコンバースを作ろう」という

二つの理由からとされています。

 

 

そのADDICTの中でも特に面白いシリーズが、

 

 

70年代のディティールを美しく再現した

「コーチ キャンバス HI」です。

 

特徴としましては、

「COACH」ロゴが目を引くアンクルパッチ

 

 

3ツ星デザインのヒールラベル

 

 

星型模様のトウガードやフォクシングテープ(外側に一周巻かれているテープ)

 

 

コーチのフォクシングテープはレコードソールと言われていて
スニーカーマニアが物語りによく使っていたり、

 

 

星形模様のトウガードは、2019年にウェブマガジン企画で
イケてる4人の業界人がチャックトグルを魔改造して復刻(もはや別物?)した際に
部分的に取り入れたりと、コーチはコンバースの中でかなり「渋い位置」にあります。

 

またオールスターに比べるとヴィンテージ市場でもほとんど出回ることがないので
希少価値が高いモデルです。

 

 

ただ、このマニアックなスニーカーの最大の特徴は

「よく分かっていない」という所です。

 

コーチはオールスターの兄弟分となるモデルなのですが、諸説があります。

 

・1940~1950年代に登場したモデルで、その名の通りコーチ(指導者)向けのモデルという話。

(プレイヤーがチャックテイラーを履いて、コーチングスタッフがコーチを履く)。

 

・チャックテーラーの価格を抑えた(廉価版)ニューモデルという話。

 

・コンバース初の街履き用のオシャレラインって話などなど

 

真相は闇の中です。

 

とはいえ生い立ちがよく分かってないスニーカー、
ロマンがあって、良いですよね。

 

 

実は2008年には日本のコンバースで一度コーチを復刻をしていたのですが、
その時は超有名ブランドとの商標の問題があり、
サイドのラベルには「C」のイニシャルしか入れられないという事があったそうで。

 

世知辛い。でもイニシャル「C」でもやるところがカッコいいです。

 

そういった理由から実現できずにいたコーチですが
13年の年月を経てコンバースアディクトでついに完全復刻。

 

 

シュータンにはそれを表すクレジットが。
PLAYERS NAMEの下に

"コーチはCoach IP Holdings LLCの登録商標です。"

と明記されています。

 

 

今年のファッションはシックスポーツやクラシックカジュアルなど

アメリカの古いカジュアルが流行りそうです。

 

 

個人的にはグランジファッションが好きなので
ビッグシャツやカーディガン、インディゴデニムに
原色カラーのコンバースのハイカットで
春らしいコーデを楽しみたいです。

 

 

このコーデに合わせたいSLOWのバッグは truck - helmet bag -です。

 

 

コンバースアディクトはアッパー部分に国産のシャトル織り機で紡いだ
風合い豊かなキャンバスを使用していて
当時の雰囲気を忠実に再現する為にとことんやっているのですが、

 

SLOWのtruck シリーズも、岡山県に存在する世界で二機しか残っていない
希少なシャトル織り機で作られております。

 

古い織り機なので早くは織れません。それでもこの織り機にしか出せない
風合いを皆様にお届けする為、拘って生産してもらっています。

 

拘りがあるアイテムを身に付けると、それに見合おうと

ちょっと背伸びして頑張ろうと思いますよね。

 

 

 

さて続いてはNew balance 2002Rです。

 

今、ニューバランスといえば2002Rではないでしょうか。

 

5年前の2010年に発売されたこのモデル。

2002 Rの「R」は「REGENERATE(再生)」を意味し、

初代「2002」の復刻版であることを示しています。

(当時 40000円ぐらいで発売されていました。)

 

2010年にリリースされたアメリカ製モデル"2002"のアッパーと

860V2のソールを組み合わせたアジア製のハイブリッドモデル です。

 

簡単にまとめますと、

アメリカ製ではなくアジア製にして値段を抑えて、

でも性能は少しアップグレードして復刻してくれたありがたいモデルです。

 

多数の限定品やコラボレーションアイテムが発売されているこのシリーズの中で
僕が最も好きなアイテムがM2002RXAとRXBです。

 

 

 

このシリーズの特徴は

 

①アッパーにエイジング加工がされている。

② 内側にGORE-TEX素材が使われている。

③ アッパーはスエードではなくヌバックが使用されている。

④ アウトソールの配置が神。

 

というところです。

 

 

・アッパーのエイジング加工

 

 

元々ブラックだった色味が、長年雨風に打たれてフェードし、

チャコールグレーのような色味になった。という表現がされたデザインです。

 

今となっては元のエイジング加工によるものなのか、
自分がエイジングさせたのか
わからないような状態となっております。

「ニューバランスを汚す」という罪悪感が全く湧かないのが

ありがたいですね。

 

 

・GORE-TEX

 

水蒸気などの細かい水分は通し、雨や水などの大きな粒子の水分は通さないというフィルムです。

つまり、雨の日にガンガン履けるニューバランスなんです。

 

アッパーの内側に黒色のGORE-TENのフィルムが貼られています。

 

ここで注意していただきたいのは「防水フィルムは靴の内側に貼られている」

という事です。

つまり、足が濡れないだけでアッパーのヌバックはずぶ濡れ、という罠があります。要防水スプレーです。

 

 

・スエードではなくヌバック

 

 

USA製モデルの900番台の多くのアッパーに

ピッグスキンスエードが使用しています。(毛穴が大きく通気性が有る為)

それに対して2002Rはヌバックを使用しています。

 

吟面(革の表層面)を起毛させているヌバックは、

床面(吟面より内側の繊維層)を起毛させるスエードやベロアよりも厚く丈夫であるのに加え、

繊維が密集している為、雨が付着して革の内部に水分が浸水するのを遅らせる特徴があります。

 

ですので他の型番に比べて、厚地でとても暖かいんです。

今年の冬も大活躍でした。

 

その分夏は蒸れやすいです。

2002Rのノーマルシリーズはメッシュのアッパーなので通気性抜群ですが、

2002RXシリーズは更にGORE-TEXで全体をホールドしているのでしっかり蒸れます。

しかし僕は気にせず履いています。冬だけ履くには勿体ない。

 

 

・ABZORBのアウトソールの配置が神。

 

 

 

2002Rのアウトソールの踵部分は外側が元から削れた形になっていて、

一番最初に地面に当たる内側の踵が点で当たるようになっています。

そこに配置されたABZORBの衝撃緩和材が衝撃を分散せずにしっかり

吸収するので足当たりが物凄く柔らかいです。

 

そして内側のアウトソールはガチガチに硬い素材にすることで

「オーバープロネーション」対策もバッチリです。

(足の骨が外側から積まれている事で
段々と内側に足の骨が倒れていき、膝に負担が掛かってしまうこと)
さすが矯正靴から始まったブランドですね。

 

まさにクラシックとハイテクの良いとこどり。

最高ですよ。

 

 

他のシューズは次の機会に。

またお付き合いいただければ幸いです。

 

それでは!